ふむふむ日記

映画・ドラマ・本・音楽と日常をふむふむします

ドラマ評:TRUE DETECTIVEシーズン2 巨悪に噛み付いて、散っていく刑事たち

タイトル:「TRUE DETECTIVEseason2

おすすめ度:★★★☆☆

 

 

※※以下、ネタバレ有り※※

 

 

TRUE DETECTIVE」のシーズン2アマゾンプライムで観了。

HBOチャンネルで2014年から放送されている同作では、シーズン1が多くの賞を受賞し、現在はシーズン3が放送中です。

 

この作品では、シーズン1マシュー・マコノヒーウディ・ハレルソンなど著名どころの俳優さんが出演しており、シーズン2ではコリン・ファレルレイチェル・マクアダムスなどなど、これまた実力派が勢ぞろい。

 

ざっくり話をまとめると、とある殺人事件をきっかけに州、郡、市の3つの警察組織が合同捜査が行われたが、事件の背後には舞台となる腐敗にまみれたヴィンチ市(架空)とマフィアやギャング、企業が絡んだ一大巨悪がうごめいており、主人公となる3人の刑事たちが翻弄されていくというもの。

 

良かったところは、クールで仕事一筋の女刑事(レイチェル・マクアダムス)、可哀想な事件で汚職してるけどなんとか別居中の家族への愛だけでなんとか持ってるオッサン刑事(コリン・ファレル)、本当はすげー良い奴なんだけど流れでハメられてしまう犯罪者兼実業家の男(ヴィンス・ヴォーン)などなど、キャラクターがみんな魅力があって、それがどう絡んでいくのかが面白い。

 

また、冗長な作りのせいか、先の展開がまったく読めず、ハラドキ感はあるので、ついつい観てしまう。

 

この俳優が好きとか、このジャンルが好き、とかいう人にはルーティーンで観てもらって全然構わない作品です。まさに自分の事ですが。

 

 

でも結局、ラスト2話で一気に報われない方向に持っていかれるのが難点。

 

かいつまんでいうと、結局、事件の犯人は、巨悪してる奴らではなくて、そいつらのせいで両親殺されて孤児になってしまってた兄妹のリベンジだったというオチ。

 

なんとなく巨悪の面々がわかるので、どうこいつらに主人公の善玉刑事らが切り込むのか、ずーーーーと待ってたのに、結局、兄妹のさらなるリベンジは止められないし、逆に主人公たちが汚名をきせられ手配されて逃げ隠れするハメに。

 

最終的には、男刑事二人は、汚職警官たちに殺され、レイチェルは途中で関係をもってしまった主人公の男刑事に言われるがまま、ベネズエラに逃避行。現地で新聞記者に、これで巨悪たちを追い詰められるわ!みたいな途中経過のネタや証拠を託しておしまい。

 

つまり、事件の背景には巨大な腐敗があるって思ってたら、結局、私恨による事件でその背景には巨悪があるがそれ自体には切り込めないまま終わるという、超不完全燃焼作。

 

こんな風に締めるなら、ここまで観てきたくだりはなんだったのっていうがっかり感がすごい。

 

さらに個人的には、超強面やり手の犯罪者兼実業家(ヴィンス・ヴォーン)が、巨悪の企みの過程でハメられながらも、着々とリベンジしていってあとは、先に逃しておいた奥さんのところに行くって時に、そこまで存在感がなかった別の勢力に拉致られて、砂漠みたいなところまで連行されて、ナイフで刺されたあげく、放置されるというエンディングが、あまりにも救いようがなくて辛かった。

 

彼は、奥さんの幻影をみながら、「ここで絶対に終わってたまるか」みたいな感じで、血を流しながら、まったく人気のない僻地でとぼとぼ歩いて、最後はくたばる。ちょっと酷すぎない???

 

あと、女刑事レイチェル・マクアダムスは、キャラ設定上、一度も笑顔を見せないけど、やっぱりそこはレイチェルなので、どんな修羅場でも可愛すぎて一人キラキラ輝いて若干浮き気味。「あーレイチェルが頑張って強面してるなー」っていう風にしか見えない。これは配役ミスか。